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パズルのかけら

Y☆G☆O闇表SSブログです。同人、BL、男性同士の性描写が苦手な方はご遠慮ください。闇表好きさんはどうぞごゆっくりしていってください。原作者様、関係者様とはまったく関係のないファンブログです。
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2024/09/28
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2011/04/02
00:07
風邪

表が風邪をひいて看病します。キスありです。



「ごほ!ごほ!」
「相棒大丈夫か?」
遊戯が風邪をひいた。学校で流行っている風邪で、どうやら遊戯もかかってしまったらしい。

熱はだいぶひいたのだが、体のだるさと、咳がとまらないようだ。
「うん…だいぶ良くなってるから…ごめんね…心配かけて」
「何かしてほしいことないか?」
≪遊戯≫が心配そうにベッドで眠る遊戯に声をかける。
風邪をひくという状況が初めてなので、どうしたらいいかわからずオロオロしている。
「そうだ!相棒、俺と変わってくれ!そうすれば、相棒は心の中で休める」
表に出ている遊戯と自分が変われば、遊戯の苦しみもなくなるのではと考えたのだ。
「ううん、大丈夫。それに風邪をひいたのはボクのせいだし」
「でも、苦しそうな相棒を見たくない」
「大丈夫だよ」
頬を赤くした顔が微笑む。
「…相棒…。…汗拭いてやる」
≪遊戯≫が濡らしたタオルを持ち出した。
そっと額にあて、拭いていく。
「冷たくて気持ちいいよ、ありがとう」
ゴホゴホと咳込む。

ああ、こんなとき俺はなんて無力なんだろうか。
何もしてあげられない。


≪遊戯≫はそっと小さな頭に手を乗せた。そのまま優しく撫でる。
「すまない、こんな時どうしたらいいかわからない」
眉をよせ、つぶやく。
「いいんだよ。ボク、キミがいてくれるととても安心するよ」
「本当か?」
「うん」
「本当に本当か?」
「えへへ…心配し過ぎ。ただの風邪だよ」
こんなに自分のことを心配してくれるなんて。
優しく声をかけてくれ、撫ででくれるもう一人の自分。
風邪なんてすぐに治ると思った。
「水飲むか?」
ほっとして休む遊戯とは反対に≪遊戯≫は慌ただしく動いている。
その様子が可笑しくて遊戯はプっと吹き出した。
「何が可笑しいんだ」
「だって、キミがこんなに慌てているの初めて見たから」
「慌てるだろ、相棒が病気なんだ!」
再びタオルで頬を拭いた。もう何度も拭いている。
「大丈夫だよ」
「心配だ。俺は相棒に何かあったらって思うと、どうしていいかわからない」
「ただの風邪なんだから」
遊戯はもういいよとタオルを持つ手をそっと握った。
「ねぇ、じゃあ、お願いしてもいい?」
「ああ!何でも言ってくれ!」
「手を繋いでほしい」
小さな手が差し出された。
「それで風邪が治るのか!?」
「それはわからないけど」
ギュっと≪遊戯≫が両手で握り返す。
小さな手。小さな体。
守ってあげないと。俺が相棒を守ってあげるんだ。
「あ、少し楽になったかも」
「本当か!」
「うん」
静かに微笑む遊戯。手はまだ少し熱い。
「相棒、手が熱い。熱がまだ…」
「大丈夫だよ~」
「でも…」
小さな手を優しく撫でる。
こんなことしかできないなんて。
「元気が出てきた」
「相棒…」
「病気は気からなんだよ。キミが一緒にいてくれて、こうやって触れてくれたら風邪なんてすぐ治っちゃう」
大きな目がゆっくり伏せられる。
「このまま…でいて…。一緒に…いてほしい」
「ああ、ずっと一緒にいる」
「約束だよ」
「約束する」
チュ…と≪遊戯≫が額に口づけした。
「こんなことしか…できない…」
「十分…だよ?嬉しい…」
遊戯の声がとぎれとぎれになってきた。眠たそうにしている。
「相棒、ゆっくり休んでくれ。そばにいる。ずっと」
「キミも疲れないように…ね…無理しちゃダメ…だよ…」
「ああ…おやすみ…相棒…」


スヤスヤと眠る遊戯。
早く元気になってくれ、そしてまた一緒に遊ぼう。一緒に沢山のものを見ような相棒。
≪遊戯≫はもう一度額にキスをした。

 


朝日が差し込む。
遊戯はまぶしさに目を覚ました。
「あ…もう朝…。…風邪…」
咳が止まっている。体のだるさもない。
治ったのかな?
「あ…」
右手を見ると、≪遊戯≫が手を握ったままベッドにもたれかかっていた。
ありがとう…ずっと一緒にいてくれたんだね。無理させてごめんね…。
「う、うん?…相棒…」
≪遊戯≫が体を起こした。
「どうだ?具合は」
「もう大丈夫!!咳も止まってるんだ。治ったみたい」
「そうか!」
ギュっと≪遊戯≫が抱きしめてきた。
「わ~、大げさな~」
「だって、嬉しくて。良かった…相棒…」
背中に手を回す。
ありがとうの意味をこめて、遊戯はギュっと抱きしめた。
「キミのおかげだよ」
「俺は何もしてない。相棒が頑張ったからだ」
「一緒にいてくれるだけで、ボクは元気になれるんだから」
今度は遊戯から口づけした。
「あ、風邪移っちゃうかな?」
「それはないさ。俺は実体がないんだし」
「不思議」
「フフ…」
二人は再びキスをした。
ずっと一緒に…これからも一緒にいる意味をこめて。
 

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