パズルのかけら

「ボク今宿題してるんだよ～。後にしてよ」
「そんなこと言うなよ。絶対面白いから」
ゲームか…興味あるかも！ちょっとだけならいいよね。
「うん、じゃあ…ちょっとだけ！」
「よし、いいぞ相棒。これを使うんだ」
目の前に出されたのはソフトクリーム。
クリームが柔らかそうで凄く美味しそう。これをどうするのかな。

「二人で食べ合って、先に全部食べたほうの勝ちだぜ」
「ええ～！」
ひとつのソフトクリームを二人で食べるの？それって…。
「ちょっと待ってよ！そ、それって…ちょっと…その口が…」
「なんだよ、ゲームするって言っただろ？早く…溶けちまう…」
ソフトクリームは少し溶けかかっている。早く食べないと。でも、でも…。
「わかったよ…する！するから！」
「じゃあ、コーンのとこ持って、俺も持つから」
ボクはコーンを握った。
もう一人のボクはその上から指を絡ませるようにして握ってきた。
ドキドキしちゃうよ～。
「用意はいいか？スタート！」
パク…パク…
二人でソフトクリームを食べていく。
すぐ目の前にもう一人のボク。
口から舌が出てクリームをなめとっていく。
「ほら、早く食べないと俺が全部食べちまうぜ？」
「う、うん…」
ペロ…
でも舌が当たっちゃうよ…。
「ん…ペロ…ペロ…ふう！？」
クリームの中で舌がぶつかる。
「フフ…美味しいな…」
チュル…チュル…チュ…
「う、うぅ…キス…になってない？」
舌はもつれあって、クリームを舐めていく。
舌…あったかい…。
「ん…もう…ひほひの…ほ…ふ…ほれって…んちゅ…」
「美味しい…相棒の舌」
ほら！もうゲームはどこにいったの？
気が付いたら、ボクたちは互いの口を合わせてキスしていた。
クリーム味の甘いキス。
とろけて落ちていくクリームみたいに溶けちゃいそうだよ…。
胸が苦しいよ…。
舌が中に入ってくる…。
「ん…ふ…んぅ…チュ…」
「相棒…チュ…」
もう一人のボク！やっぱりこれが目当てだったんじゃないか。もう…。
こんなのゲームじゃないよ…。
こんなドキドキするゲームなんて。

クリームはすっかりなめとってしまい、手も口の周りもベトベトになってしまった。
「コーンを食べきったほうが勝ちか…」
「うぅ…ベトベトだよぉ…」
「本当だ。綺麗にしてやるよ」
ペロっとボクの口の周りをもう一人のボクが舐める。
「ひゃあ！もう…駄目…。恥ずかしいよ…」
「俺も綺麗にしてくれよ。ベトベト。手も…」
そう言ってコーンを持つ手を差し出してきた。
ボクは言われたとおりに指を舐めてあげた。
「んちゅ…ペロペロ…チュブ…」
もう一人のボクの指…すごく綺麗。
いつもカードをする時思ってたんだ。綺麗な指先だなって…。
その指を舐めていく。
カードを切る綺麗な指…。
そして、ボクを気持ち良くしてくれる指…。

「相棒…そんなに舐められたら感じるって」
「え？そ、そう？」
「舐める顔エロ過ぎ」
チュ…とボクにキスしてきた。
舌が中に入ってきて絡まってくる。
駄目…腰がガクガクしちゃうよ…。
立ってられなくなる。
「コーン…食べない…の？」
「うん、相棒食べるから…いいや…」
ポト…とコーンが床に落ちる。
ボク達は抱き合いながらキスし合った。
「美味しい…相棒のキス…」
「ふあ…ボクも…気持ちいい…」
こうしてずっとキスしていたいな…。
「他の所も舐めていい？」
「駄目！宿題するから」
「ケチだな相棒…。じゃあ、胸だけ！少しだけ舐めさせて？相棒は宿題してていいから」
「そんなの無理だよぉ。できないよ…」
宿題が終わったらいっぱい舐めていいよ？
ボクをいっぱい食べて欲しいな。
「宿題終わったら…たくさん食べていいから…」
「わかった。じゃあ待ってる」

もう一人のボクがベットに腰を下ろした。
ボクは机に向かう。
キスの味が忘れられないのと、もう一人のボクが待っているって思うと…宿題なんてできそうもないよ。
「宿題のほうが大事か～、つまらないぜ」
「だって明日あてられそうなんだもん」
「宿題したらご褒美でまたゲームしてやる」
ペロ…と後ろから首を舐められる。
ボクの体がピクンって反応する。
「もう！駄目ったら駄目！」
「勉強頑張れよ相棒…待ってるぜ？」

うぅ～、早く終わらせるぞ～。
ボクは今ほど宿題に一生懸命になったことはなかった。
早くキミとゲームしたいもん。

[10回]